ヨガの太陽礼拝は12個のポーズを連続して行うものです。
休憩無しで取り組むため、初心者にとっては難しいですが、身体を元気にさせるエクササイズとしてヨギーから人気を集めています。
本記事では太陽礼拝の特徴や連続したポーズのやりかた、取り組む際のコツを抑えて解説していきます。
先に太陽礼拝
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太陽礼拝のやり方
太陽礼拝とは?起源から解説
太陽礼拝は前屈と後屈の動きを12回に分けて繰り返すヨガポーズです。
サンスクリット語では「Surya Namaskar」と呼ばれ「太陽神の神様への挨拶」という意味が込められています。
英語では「Sun Salutation」と呼ばれ、インドで伝統的に行われていた出家修行者が一日の始まりに太陽神の神様に感謝し祈りを捧げることを目的に用いられていたものです。
大衆の人々にもできるようにとカスタマイズされて出来上がったのが太陽礼拝で、健康体操としてのヨガの動きの1つとして取り入れられ息を吸って1ポーズ、息を吐いて1ポーズとるため、ヨガ初心者でも取り組みやすくなっているのが特徴です。
ダイエットも?毎日太陽礼拝を取り組んで得た効果
全身の筋肉を使うためダイエット効果がある
太陽礼拝は多くの筋肉を使用しながら長時間運動を行うため、消費カロリーが高くダイエットの効果が高いです。
実際にアメリカの女優マイリー・サイラス氏は毎日朝と夜に太陽礼拝を取り組んだことで2ヶ月で15kgのダイエットに成功したそうです。
もし、短期的なダイエットを検討しているのであれば太陽礼拝だけでなく食事管理も必須になってきます!
持久力が上がり疲れにくくなる
無酸素運動と有酸素運動を含む太陽礼拝は持久力がつくことも効果の1つです。
オーストラリアに住むマーシャン祥子氏は「太陽礼拝の12個の内5つを1年間取り組んだことで身体の持久力が上がった」と述べています。
また、柔軟性や体幹も鍛えられ血行の改善やむくみの解消にも繋がったそうです。
身体の柔軟性が上がった
太陽礼拝は脚の裏側や肩甲骨をほぐすポーズがあるため、身体の柔軟性を上げることも出来ます。
以下のnoteでは太陽礼拝に取り組む男性の記録を見ることができ、太陽礼拝に取り組んで2週目で前屈をより深くできるようになっています。
日にちが経過するにコツを掴み身体から余計な力が抜け、胸の突っ張りも感じなくなったと述べています。
スピリチュアルな状態になりポジティブな気持ちになる
ヨガは従来、自分の心と向き合う目的として作られたエクササイズであり、連続したポーズに取り組む太陽礼拝をやることでスピリチュアルな状態に入ることが出来ます。
ここでいうスピリチュアルな状態とは、決して怪しいものではなく人間としての感性が研ぎ澄まされた状態を指します!
また、太陽を浴びることで、こころを前向きな気持ちにさせるホルモン「セロトニン」の分泌が促され、1日の始まりをポジティブな状態から過ごすことが出来ます。
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太陽礼拝は9個のポーズを12回に分けて行うヨガポーズです。
太陽礼拝の一連のポーズはこちらです!
①山のポーズ(ターダーサナ)
②手を上にあげるポーズ(ウールドヴァハスターサナ)
③立位前屈のポーズ(ウッターナーサナ)
④半分の立位前屈のポーズ(アルダウッターナーサナ)
⑤プランクポーズ(クンバカーサナ)
⑥膝をつき四肢で支えるポーズ(チャトランガターダサナ)
⑦アッパードックのポーズ(ウールドヴァムカシュヴァ―ナーサナ)
⑧ダウンドックポーズ(アドームカシュヴァーナーサナ)
⑨半分の立位前屈のポーズ(アルダウッターナーサナ)
⑩立位前屈のポーズ(ウッターナーサナ)
⑪手を上にあげるポーズ(ウールドヴァハスターサナ)
⑫山のポーズ(ターダーサナ)
山のポーズ→手を上にあげるポーズ→立位前屈のポーズ→半分の立位前屈のポーズから始まり、半分の立位前屈のポーズ→立位前屈のポーズ→手を上にあげるポーズ→山のポーズで終わります。
太陽礼拝の一連のポーズの仕方を見たい方は、まりこ先生の動画を参考にしましょう。
ここから太陽礼拝のそれぞれのポーズのやり方について解説してきます!
山のポーズ(ターダーサナ)
山のポーズは、太陽礼拝の始まりと終わりに行うポーズで、立ったままで行います。
このポーズは、姿勢を正すことで、背骨や首、肩の緊張をほぐし、内臓の働きを活性化させます。
また、足の裏全体を床につけることで、足の筋肉を鍛え、足首や膝の関節を安定させます。
①足をくっつけて立ち、足の裏全体を床につける
②膝を伸ばし、太ももの筋肉を引き上げると同時にお尻を引き締める
③背骨を伸ばし、首を長くする。この時、肩は下げてリラックスさせる
④手のひらを前に向けて、腕は伸ばし指先は床に向ける
⑤おへそを引き込み、胸を開きながら顎を少し引く
⑥目線をまっすぐ前に向けながら呼吸を行う
体の中心に軸が通っているような状態を意識することでうまくポーズを取ることが出来ます。
手を上にあげるポーズ(ウールドヴァハスターサナ)
手を上にあげるポーズは、山のポーズから手を上に伸ばすポーズで、背中や腕の柔軟性を高めます。
肩甲骨や胸郭の動きを改善し、呼吸の質を向上させる他、腹部や腰部の筋肉を刺激し、消化器系や生殖器系の機能を促進させる効果を持っています。
①山のポーズの状態になる
②息を吸いながら両手を上に伸ばし、手のひらを合わせる肘は伸ばし、指先は天井に向ける
③背中や腕を伸ばしながら、上半身を少し後ろに倒して胸を開く
③息を吐きながら元の状態に戻る
うまく意識出来ない人は肛門を締め、足裏で強く床を踏むと身体の前側が開くようになります。
立位前屈のポーズ(ウッターナーサナ)
立位前屈のポーズは、手を上にあげるポーズから前に倒れるポーズで、脊柱や腿の後面のストレッチ効果があります。
頭部に血液が流れることで、頭痛や不眠、ストレスなどに効果があると言われ、内臓のマッサージ効果もあるため、便秘や生理痛などにも良いとされています。
①手を上にあげるポーズの状態になる
②息を吐きながら上半身を前に倒し、両手を足の横に置く
※この際、手のひらは床につけること
③頭を下に向けて、顔と足の間に入れる
④膝を曲げずに脚の裏側を伸ばし、背中は丸めずに背骨を伸ばす
⑤息を吸いながら上半身を少し持ち上げ、胸を前に出す
⑥②に戻る
上体を前側に倒す際はお腹から深く息を吐くことで横隔膜が動き筋肉が緩みにくくなります。
半分の立位前屈のポーズ(アルダウッターナーサナ)
半分の立位前屈のポーズは、立位前屈のポーズから上半身を少し持ち上げるポーズで、脊柱の可動域を広げるため腰や背中のストレッチ効果や姿勢を改善することができます。
また、頭部に血液が流れることで、頭痛や不眠などにも効果があると言われています。
①立位前屈のポーズで立つ
②息を吸いながら上半身を少し持ち上げ、胸を前に出し背中はまっすぐにする
③両手は足の横に置き手のひらは床につける
④頭は下に向けずに、まっすぐ前に向け目線は床の少し先にする
⑤息を吐きながら再び立位前屈のポーズに戻る
もし膝が痛い場合は少し曲げても構わないので脚の裏側が伸びていることを感じるようにしましょう。
プランクポーズ(クンバカーサナ)
プランクポーズは、腕立て伏せの姿勢で体をまっすぐに保つポーズで、体幹の筋力を鍛える効果があります。
このポーズは、腹筋や背筋、腕や肩、脚などの筋肉を同時に使うことで、全身の安定性や姿勢を改善の効果があることに加えて、ダイエットやデトックスにも効果があると言われています。
①四つん這いになり手のひらは肩の下に置き指先は前に向ける
②息を吸いながら両足を後ろに伸ばし、つま先で床につき膝は伸ばす
③体をまっすぐに保ちおへそを引き込み、お尻を上げる
④首は自然に伸ばし、目線は床の少し先にして呼吸は自然に行う
⑤10秒〜30秒ほど姿勢をキープし、息を吐きながら四つん這いに戻る
プランクポーズは両手で床を強く押すことで肩甲骨が大きく開き、効果が感じやすくなります。
膝をつき四肢で支えるポーズ(チャトランガターダサナ)
膝をつき四肢で支えるポーズは、プランクポーズから膝を床につけて、上半身を下げるポーズで、腕や胸の筋力を鍛える効果があります。
腕立て伏せの初級版としても知られており、腕や肩の可動域が広がることに加えて、胸や肺の働きを整えて呼吸の質を向上させることもできます。
①プランクポーズの状態から息を吐きながら両膝を床につける
※この際、膝は腰の下に置く
②息を吸いながら肘を曲げて、上半身を下げ肘は体に沿わせる
③胸をつけずに背中はまっすぐに保ちおへそを引き込む
④首は自然に伸ばし、目線は床の少し先にする
⑤息を吐きながらプランクポーズに戻る
膝の痛みを感じやすい人はマットを敷いて、膝を保護しながらポーズに取り組みましょう。
アッパードックのポーズ(ウールドヴァムカシュヴァ―ナーサナ)
アッパードックのポーズは、コブラポーズの応用版で、背中や腹部のストレッチ効果がさらに高まります。
アッパードックのポーズのやり方は、以下の通りです。
①コブラポーズの②の状態になる
②両足を後ろに伸ばし、つま先で床につき膝は伸ばす
③首は自然に伸ばし、目線はまっすぐ前にして呼吸を自然に行う
④5秒から10秒ほどこの姿勢をキープし息を吐きながら①の状態に戻る
体重を前側でキープすることがポーズのコツです。
ダウンドックポーズ(アドームカシュヴァーナーサナ)
ダウンドックポーズは、四つん這いになってお尻を上に持ち上げるポーズで、全身のストレッチ効果があります。
脊柱や腿の後面、足の裏側などの柔軟性が高まります。
また、頭部に血液が流れることで、頭痛や不眠、ストレスなどにも効果があると言われています。
①四つん這いになり手のひらは肩の幅より少し広く置き指先は前に向ける
②息を吸いながらお尻を上に持ち上げ膝を伸ばし、足の裏を床につける
③体を逆V字にしおへそを引き込み、背中を丸める
④首は自然に伸ばし、耳は肩につけずに両足の間に目線を落とす
⑤10秒から30秒ほどこの姿勢をキープし吐く息で四つん這いに戻る
太陽礼拝以外にもヨガポーズをもっと知りたいという方は以下の記事が参考になると思います!
ヨガの太陽礼拝を行うときのポイント
体幹を意識する
太陽礼拝は前屈と後屈のポーズが交互にに繰り返されるため、体幹が安定していることが重要です。
体幹はお腹や背骨などからなり、姿勢やバランスを支える役割を持ち、体幹が弱いと、太陽礼拝が最後までできないことや姿勢が悪くなったり、腰痛や肩こりなどの不調につながったりする可能性があるため、腸腰筋を日頃から鍛えておく必要があります。
腸腰筋を鍛えるトレーニングを以下を参考にしてみましょう。
自分の行いやすいペースで取り組むこと
太陽礼拝は8つのポーズから構成されていますが、初心者でも自分に適したペースで取り組むことが大切です。
できないポーズがあっても無理に全部取り組むのではなくとせず、自分のペースで出来そうなヨガポーズから1つずつ進めましょう。
また、各ポーズでは呼吸も意識することが重要で、呼吸はポーズごとに最適な目線やおおよその目安が決まっています。
もし、進めていく中でポーズの適切な姿勢のとり方や呼吸の長さ、やり方など不明が部分があれば1人で抱え込まず周囲やインストクターに教えてもらいましょう。
痩せたい方は朝行うのがおすすめ
ダイエット目的の方は朝に太陽礼拝を行いましょう。
起床してすぐは、身体からエネルギーが枯渇している状態であるため、筋肉を使う太陽礼拝をやることで脂肪が燃焼されやすく、1日の消費カロリーを上げることが出来ます。
また、朝に取り組むことで基礎代謝が上がり痩せやすい身体へと変えられるのです。
ヨガスタジオLAVAの太陽礼拝はきつい?
大手ヨガスタジオでは太陽礼拝108回のイベントを不定期で開催しています。中には「きつい」という声もあったので、口コミを紹介していきます!
終わったあとが一番きつい!(30代女性)
太陽礼拝中は意外ときつくないが、終わったあと布団を干している際に腕が上がらずきつかった….。
達成感でいっぱいでした!(30代女性)
本当に動きっぱなしで一番は腕にきて起き上がるのも大変でした。108回…ツラかったけど達成感でいっぱいでした!
半分を超えたらきつくなった(50代女性)
108回の内、54回目で声をかけられた際に「半分まで来たか…って、まだ倍もあるのか?大丈夫か?」と雑念が湧き上がり、急に身体もきつく感じてしまった
全身が筋肉痛(40代女性)
108回を達成した時点で、今できる最高の太陽礼拝で締めくくるべく、気持ちに喝を入れたのですが身体はとうの昔に限界を超えていて、今その場に立っていることが奇跡と思えるレベルでした。
ヨガ歴2年半以上のヨギーでも全身が筋肉痛になるほど、108回を連続して行うのはきついことだというのがわかります。また、108回をクリアするとLAVAから「みんなで太陽礼拝修了証」が授与されるので、是非参加してみてください!
「ヨガ 太陽礼拝」で検索している人が気になっていること
太陽礼拝a、b、cのそれぞれの違いはなんですか
太陽礼拝はそれぞれa,b,cとパートが分けることができ、取り組む内容や効果も異なります。
それぞれの違いを説明していきます!
太陽礼拝aとは?
太陽礼拝aは、基本的な太陽礼拝と呼ばれるシークエンス(一連の動作)でサマスティティヒ(山のポーズ/直立姿勢)から始まり、最後も同じ姿勢に戻り5回繰り返すことで1セットが完成します。
太陽礼拝aでは前後屈で背骨を伸ばして柔軟にし、吐く・吸う・吐く・吸う・吐く・吸うという呼吸法を繰り返し行うため、心身全体をリラックスさせる効果が強いとされています。
太陽礼拝bとは?
太陽礼拝bは、より負荷が高いシークエンスで、サマスティティヒから始まりますが、最後では前後開脚や腰ねじりなどの動きが加わります。
5回繰り返すことで1セットが完成し、前後屈だけでなく前後開脚や両手を頭上に伸ばすなども行います。
太陽礼拝aよりも積極的に身体を動かしながら呼吸法も深く長く行うため、太陽礼拝bは血流促進やストレス解消効果があるとされています。
太陽礼拝cとは?
太陽礼拝cは、「チャトランガ」と呼ばれるシークエンスで太陽礼拝aとbを組み合わせたものです。
太陽礼拝aとbは12個のポーズを連続して行うシークエンスですが、太陽礼拝Cでは、4〜5個のポーズを選んで行います。
aとbに比べて時間も難易度も低いため、初めて太陽礼拝に取り組もうとしている初心者におすすめの方法です。
太陽礼拝108回はきついですか?
運動習慣がない人にとって太陽礼拝108回はきつい可能性があります。
ポーズを1回あたり1分と換算しても108分がかかり、身体的にも精神的にも負担がかかるため、初心者は連続して行うのではなく水分を取ったり休憩を入れると良いでしょう。
慣れてくると、ベクトルが自分の心に向けることができポーズ中にきついと感じることはなく、むしろ心の浄化やストレス開放で気持ちいいとすら言える瞬間が来るかもしれません。
太陽礼拝で起こる好転反応を知りたいです
太陽礼拝で起こる好転反応は筋肉痛、眠気、食欲の変化、発汗などがあげられます。
そもそも、好転反応とは体の中に溜まっていた老廃物や毒素が排出される過程で、一時的に発熱や頭痛、吐き気などの症状が現れる現象で、体が自然治癒力を高めている証拠とも言えますが、不快な感覚を伴うこともあります。
もし、気持ちが悪くなってしまった場合は水分や睡眠、ストレッチを十分に取るようにしましょう。
ヨガで起きた筋肉痛が中々治らないという人はこちらの記事をご参照ください!
太陽礼拝を毎日取り入れて充実したヨガライフを過ごそう
本記事では太陽礼拝のやり方やポイントのコツを解説しました。
太陽礼拝は12個の連続したポーズを取り組むため、集中力や筋力、身体の柔軟性が問われます。
また、太陽礼拝108回はヨガ歴が長いヨギーでも翌日は筋肉痛になるなど、かなりきついとされています。
そのため、決して無理はせず自分の目的に適したやり方で太陽礼拝に取り組むようにしましょう。
この記事を書いた人
Getfit編集部
山本 夏実
Natsumi Yamamoto
Getfitの編集部パーソナルジム選びコンテンツ責任者
学生時代は日本大学文理学部体育学科にてスポーツと健康に関する科学的知識・技術を学ぶ。
取材で訪れたパーソナルジムの数は全国45ジムを超える。
実際に24/7WorkoutやUNDEUX SUPERBODY(アンドゥスーパーボディ)などの大手パーソナルジムに通いダイエット(体重-8kg)・ボディメイク(体脂肪-8%)の経験を持つ。
自身の体験を基に、パーソナルジム探しをするユーザーのためにパーソナルジム選びのノウハウコンテンツを執筆・発信。
プライベートでは24時間ジムや暗闇ボクシングジムに通うことが趣味。
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