ヨガは適切な呼吸法で取り組めば副交感神経が有利になり、リラックス効果を得ることができますが呼吸法を誤れば効果は半減します。
ただ、ヨガの呼吸法は多くの種類がありそれぞれ呼吸法のやり方や目的は異なります。
そこで本記事ではヨガの呼吸法やそれぞれの効果を解説していきます。
ヨガの呼吸法のコツについても紹介していくので、本記事を読み正しくヨガに取り組んでいきましょう。
先にヨガの
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初心者にもおすすめのヨガの呼吸法一覧
ヨガで呼吸法が重要な理由
呼吸は生命エネルギーの源であり、ヨガに取り組んでいる際に呼吸をコントロールすることで心身のバランスを整えることができます。
ヨガの呼吸法は「プラーナヤーマ」と呼ばれ、プラーナは生命エネルギー、ヤーマは拡大・拡張という意味があり呼吸を深くすることで、酸素や栄養が体内に取り込まれ、血液やリンパの流れが促進します。
また、呼吸に合わせてヨガポーズをすることで、筋肉や関節の柔軟性や強さを向上し、呼吸法によっては体を温めたり冷やしたりする効果もあるため、ヨガの呼吸法は心身の健康を保つ上で欠かせないのです。
ヨガの呼吸法で得られる効果は?
自律神経の改善
深くゆっくりとした呼吸を行うことで自律神経のバランスを整える効果があります。
自律神経は、心拍や血圧、消化などの身体の機能を調節する神経で交感神経と副交感神経に分かれており、息を吸うことで交感神経を刺激し身体を活動状態にし、息を吐くことで副交感神経が刺激され身体をリラックス状態にします。
ヨガの呼吸は息を吸う時間よりも吐く時間の方が長いため、副交感神経が優位になりやすく自律神経が整いやすくなるのです。
ヨガと自律神経の関係性をもっと詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
老化防止(アンチエイジング)
ヨガの呼吸法は、酸素を多く取り込み血液中の酸素濃度を高めるため、老化防止(アンチエイジング)にも効果的です。
酸素は細胞のエネルギー源であり、細胞の活性化や新陳代謝の向上させ、老化の速度を進めてしまう活性酸素の発生を抑えてくれます。
また、呼吸法と正しいヨガポーズを組み合わせることで身体のバランスが整えられ年齢と共に崩れがちな体型を引き締めることも可能です。
インナーマッスルが鍛えられる
ヨガの呼吸法は、インナーマッスル(深層筋)を鍛える効果もあります。
インナーマッスルとは、骨格を支えたり、内臓を守ったりする役割を持つ筋肉のことで、姿勢・体幹の安定や基礎代謝の向上において重要とされています。
ヨガの呼吸法の中でもお腹を膨らませたりへこませたりする腹式呼吸や丹田呼吸は横隔膜や腹筋などのインナーマッスルが積極的に動くため、インナーマッスルの筋肉量が増え、基礎代謝が上がり、内臓脂肪の燃焼が効率的に行えるようになります。
ヨガの効果をもっと知りたい人はこちらの記事を御覧ください!
睡眠改善
ヨガの呼吸法は、睡眠の質を改善する効果もあります。
ヨガの呼吸法は心身をリラックス状態にさせるため、睡眠を深くとることができます。
特にヨガの呼吸法の中でも鼻から音を出しながら息を吐くブラーマリー呼吸は、音の振動が頭蓋骨に響き、心や神経系を落ち着かせる効果があるため、寝る前の呼吸法におすすめです。
プラーマリー呼吸以外にも寝る前におすすめのヨガの呼吸法はたくさんあります!寝る前におすすめの呼吸法を知りたい方はこちらをクリック!
初心者必見!ヨガの呼吸法を解説
ヨガの呼吸法はポーズによって異なりますが、いくつかに分類することができます。
その中で今回は目的別でおすすめのヨガの呼吸法をいくつか紹介していきます。
リラックスしたいときは腹式呼吸
腹式呼吸は、ヨガの基本の呼吸法です。
鼻から息を吸ってお腹を膨らませ、吐くときにへこませることで、肺の下にある横隔膜を動かします。
横隔膜が下がることで、肺に多くの空気が入り、横隔膜が内臓を刺激することで、内臓のマッサージ効果や血行促進効果もあります。
腹式呼吸は、副交感神経を優位になりやすいためリラックス効果やストレス軽減効果も期待できます。
①マットに座り姿勢を整え、背筋を伸ばす
②両膝の上に両手を置く
③鼻から息を吸いながら、お腹を膨らませる
④吸った時間より長く鼻から息を吐き、お腹をへこませる
⑤上記の動作を繰り返す
腹式呼吸をもっと知りたい方はこちらの動画を御覧ください!
集中力を高めたい人は胸式呼吸
胸式呼吸は、呼吸をするときに胸に意識を向け、肋骨を広げるように呼吸を行う方法です。
腹式呼吸よりも多くの筋肉を動員しポーズをとる前の準備運動や、動きが激しめのヨガで使われています。
胸式呼吸は、交感神経を優位にする効果があるため、集中力を高めたいときにおすすめの呼吸法です。
①マットに座り姿勢を整え、背筋を伸ばす
②顎を軽く引き、うなじを伸ばして両膝の上に両手を置く
③鼻から息を吸いながら肋骨が左右に開くように感じながら胸を大きく膨らませる
④鼻からゆっくりを息を吐きながら胸を元の位置に戻す
⑤上記の動作を繰り返す
胸式呼吸は起床後など気分や目覚めを良くしたいときにおすすめの呼吸法です!
冷え性の人はカパラバティ呼吸
ヨガの呼吸法の中で、冷え性や免疫力の低下に効果があるのがカパラバティ呼吸です。
カパラバティ呼吸とは、鼻から強く息を吐き出すことで、体内の老廃物や毒素を排出する呼吸法で血液の循環を促進し、体温を上げる効果があります。
①マットに座り姿勢を整え、背筋を伸ばす
②両鼻から息を吸いお腹を膨らませる
③両鼻から強く一気に息を吐き横隔膜を引き上げてお腹を凹ませる
④自然に息を吸う
⑤上記の動作を1分間繰り返す
カパラバティ呼吸はボートポーズやツイストポーズなどで取り組む呼吸法です。
体温を下げたい人はシータリー呼吸
ヨガの呼吸法の中で、体温を下げる効果があるのがシータリー呼吸です。
シータリー呼吸とは、舌を巻いて口から冷たい空気を吸い込む呼吸法のことを指し心拍数や血圧を下げる働きをする副交感神経を刺激し、身体を安静の状態に促します。
また、シータリー呼吸は、舌を使用するため口腔内の水分が蒸発し体温を冷やす効果もあります。
①マットに座り姿勢を整え、背筋を伸ばす
②口を開け舌を巻いてストローの形にする
③口からゆっくりと息を吸いながら、舌の上に冷たい空気を感じる
④口を閉じて、両鼻からゆっくりと息を吐き出す
⑤上記を何回か繰り返す
シータリー呼吸のやり方をもっと詳しく知りたい方はこちらから!
インナーマッスルを鍛えたい人はウジャイ呼吸
ヨガの呼吸法の中で、インナーマッスルを鍛える効果があるのがウジャイ呼吸です。
ウジャイ呼吸とは、喉の奥を締めて呼吸する呼吸法で喉の筋肉を強化し、呼吸器官の機能を向上させます。
また、ウジャイ呼吸は精神を安定させる効果も持ち合わせています。
①マットに座り姿勢を整え、背筋を伸ばす
②喉の奥を締めるようにして、鼻からゆっくりと息を吸います
③喉の奥を締めたまま、口からゆっくりと息を吐き出し「ハー」という音が聞こえるようにする
④口を閉じて、両鼻からゆっくりと息を吐き出す
⑤上記を何回か繰り返したら口から息を出すのではなく鼻から息を出すようにする
戦士のポーズやカメレオンのポーズでウジャイ呼吸は使用されています。
身体を元気にさせたい人はバストリカ呼吸
ヨガの呼吸法の中で、身体を元気にさせる効果があるのがバストリカ呼吸です。
バストリカ呼吸とは、鼻から素早く息を吸ったり吐いたりする呼吸法で呼吸の速度と取り込む酸素の量を変えることで、体内のエネルギーを活性化させます。
①背筋を伸ばして座る
②鼻から素早く息を吐きながら、お腹をへこませる
③この動作を1秒間に2回程度のペースで繰り返す
④10回繰り返したら、一息ついて、呼吸を整える
⑤このサイクルを3回繰り返す
バストリカ呼吸を詳しく知りたい方はこちらの動画をチェックしましょう!
寝る前におすすめのヨガの呼吸法一覧
片鼻呼吸(ナーディショーダナ)
ヨガの呼吸法の中で、自律神経のバランスを整える効果があるのが片鼻呼吸です。
別名ナーディショーダナとも呼ばれており、片方の鼻孔だけで呼吸する呼吸法で左右の鼻孔に対応する副交感神経と交感神経の切り替えを促し、心身の調和を図ります。
また、片鼻呼吸は、酸素の吸収率を高め、脳の働きを活性化する効果もあるため就寝前に取り組むことでより深い眠りにつけるようになります。
①背筋を伸ばして座る
②右手の親指で右の鼻孔をふさいで、左の鼻孔からゆっくりと息を吸う
③右手の薬指で左の鼻孔をふさいで、右の鼻孔からゆっくりと息を吐き出す
④右の鼻孔からゆっくりと息を吸い、左の鼻孔からゆっくりと息を吐き出す
⑤この動作を数回繰り返す
片鼻呼吸は1分で取り組める呼吸法でもあるので、ヨガ初心者におすすめの呼吸法です。
ブラーマリー
ヨガの呼吸法の中で、精神を落ち着かせる効果があるのがブラーマリーです。
ブラーマリーとは、ハチの羽音のような音を出しながら呼吸する呼吸法で耳の穴をふさぐことで、外部の雑音を遮断し、心の中の静寂に集中します。
また、ブラーマリーは、喉の筋肉をリラックスさせ、声帯や喉頭の疲れを和らげる効果もあるため、一日の終りとなる就寝前におすすめの呼吸法です。
①背筋を伸ばして座る
②両手の人差し指と中指を眉間に置く
③両手の親指で耳の穴をふさぐ
④口を閉じ鼻からゆっくりと息を吸いながら、鼻から「んー」という振動音を出す
⑤振動を頭蓋骨内に響かせるように10回繰り返す
ブラーマリーのやり方を解説している動画はこちらから御覧ください!
(上級者専門)ムールチャ
ヨガの呼吸法の中で、エネルギーを高める効果があるのがムールチャで息を止めて体内のエネルギーを循環させる呼吸法です。
ムールチャは、気の流れを調整し、体の各部分にエネルギーを送るだけでなく脳の酸素供給を増やし、記憶力や集中力を高める効果もあります。
①背筋を伸ばして座り鼻からゆっくりと息を吸いながら、お腹をふくらませる
②息を吸いきったら、鼻からゆっくりと息を吐きながら、お腹をへこませる
③息を吐ききったら、息を止めます。このとき、喉の奥を締めて、息が漏れないようにする
④息を止めた状態で、10秒数え息を止められなくなったら、鼻からゆっくりと息を吸う
⑤この動作を10回繰り返す
ムールチャはヨガ初心者では難しいとされていますが、こちらの動画でコツを抑えることができます。
ヨガは呼吸法とポーズを組み合わせることで適切な効果を得ることができます。ヨガのポーズを一覧で見たい人はこちらの記事がおすすめです!
うまくできない人は見て!ヨガの呼吸法のコツ
身体の力を抜きながら呼吸は止めないようにする
ヨガの呼吸法を行うときには、身体の力を抜いてリラックスすることが大切です。
呼吸は止めず、吸う時間よりも吐く時間を長くし、リズミカルに繰り返し呼吸を深くすることで、酸素や栄養を体内の血中に取り込み、血液やリンパの流れが促進されます。
また、姿勢を整え、背筋を伸ばし、肩や首に力が入らないようにし呼吸は鼻から行い、口呼吸は避けることもヨガの呼吸法においては重要です。
息を吸う・吐くタイミングを意識する
息を吸う・吐くタイミングを意識することも重要です。
一般的に、ポーズを動かすときに息を吐き、ポーズをキープするときには息を吸います。
例えば、猫のポーズでは、背中を丸めるときに息を吐き、背中を反らすときに息を吸います。
もし、ヨガポーズをしている際、いつ息を吸えばいいのか分からなくなったときはYoutubeや無料のアプリでヨガポーズを参考に適切な呼吸法を身に着けましょう。
無料で取り組めるヨガアプリはこちらの記事から確認できます!
チャクラを知ることで呼吸法が理解できる
ヨガの呼吸法を理解するためには、チャクラという概念を知ることが役立ちます。
チャクラとは、ヨガの伝統的な理論で、人体にある7つのエネルギーセンターのことを指し、それぞれ色や音、形などの特徴を持ち、身体や心の状態に影響を与えます。
例えば、第3のチャクラである太陽神経叢(マニプーラ)は、おへその辺りにあり、黄色やラムという音、火のような形を持ち、バストリカ呼吸をすることで体を温めたり、消化力を高めたり、気力を増したりする効果があります。
このようにチャクラそれぞれの効果や効果を出すための呼吸法を知ることでより深くヨガの効果を感じることができるのです。
「呼吸が苦しい・できない」と感じたらプロの元へ
もし、ヨガの呼吸法がうまく出来ない場合はヨガのインストラクターやプロの指導者に教えてもらしましょう。
ヨガの呼吸法は、心身の健康に多くのメリットをもたらしますが、やり方が合わないと逆効果になることもあるため、無理をしないようにする必要があります。
呼吸法を行うときには、自分の体調や気分に合わせて選ぶことが大切であるため、客観的に自分の状態を見てくれるプロのもとで取り組むことで本来あるべきヨガの目的を達成することができるはずです。
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まとめ
ヨガの呼吸法を正しく理解すれば今まで以上にヨガの効果を感じることができます。
ヨガのポーズによって呼吸法は異なり、適切でない呼吸をしてしまうと本来得られたはずの効果を得ることができなくなります。
本記事を読み直して正しい呼吸法を理解し、楽しいヨガライフを満喫しましょう!
この記事を書いた人
Getfit編集部
山本 夏実
Natsumi Yamamoto
Getfitの編集部パーソナルジム選びコンテンツ責任者
学生時代は日本大学文理学部体育学科にてスポーツと健康に関する科学的知識・技術を学ぶ。
取材で訪れたパーソナルジムの数は全国45ジムを超える。
実際に24/7WorkoutやUNDEUX SUPERBODY(アンドゥスーパーボディ)などの大手パーソナルジムに通いダイエット(体重-8kg)・ボディメイク(体脂肪-8%)の経験を持つ。
自身の体験を基に、パーソナルジム探しをするユーザーのためにパーソナルジム選びのノウハウコンテンツを執筆・発信。
プライベートでは24時間ジムや暗闇ボクシングジムに通うことが趣味。
執筆記事例)